(1)明暗による錯覚
下の図で、「Aは凹んでいる」ように見えて、「Bは突出している」ように見えます。
これは、人間の脳が、「通常、光は上から来る」と思い込んでいるためで、「Aは上から来た光が、下の台形部分に当たっている」「Bは上から来た光が、上の台形部分に当たっている」と思い込んでしまうためです。
また、「白い台形」も「黒い台形」も同じ大きさなのに、「白い台形の方が、大きく」見えます。
これも、脳が、「明るいものは膨らんでいく」と勝手に思い込んでしまうためです。
(2)色みによる錯覚(進出色と後退色)
下の図で、「赤は青より前」に見えます。
赤は青よりも前に進んで来ているように見えるので「進出色」、逆に青は「後退色」と言われています。
(3)色の対比による錯覚
下の図で中央の緑は同じ色なのに、「A の緑の方が明るく」見えます。
下の図でも、「Aの赤の方が明るく鮮やか」に見えます。
このように、色の選択や、配置によって、同じ色を用いても違った印象となる場合があります。
優れた絵画は、このような色による錯覚を効率的に用いています。
例えば、レオナルド・ダ ・ビンチは、「モデルを中庭の一方の壁を背にして立たせ、天気の悪い黄昏(たそがれ)に描くがよい。」と言っています。
「人物」の周りを「暗い色」で塗るのは、「人物を引き立たせる」効果があります。
「塗り絵」の勉強には、「名画」の鑑賞が最適だと思います。
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